ダイジェスト No.13 m chair

2009年チェアーズ作品ダイジェスト
13番目は森下武司(モリシタタケシ)さんの m chair です。

森下さんは三重県で木工房「フロッシュ」を主催する木工職人です。

チェアーズの中でも「木工のことなら、まず森下さんに相談」というくらい、メンバー
からも信頼が厚く、大変、詳細な知識と緻密な理論に裏付けられた精確な技術、そして
何よりも、木に対する深い愛着が作品から心地よく伝わってきます。

森下さんの得意分野は無垢の家具だけではなく、合板を使ったフラッシュ構造の家具
などにもおよび、天然素材はもちろん最新の素材の研究にも余念がありません。

構造や形はもちろん、座りやすさへのこだわりも素晴らしく、展示会では毎回、来場者の
方から、高い支持を受けています。

本人によるコンセプト

m様ご家族にお届けした食卓椅子です。〜

今回の「m chair」は森下さんが初めてチェアーズに参加した時に出展したスツール
「ムシアシ」の連作です。「ムシアシ」を気に入られたmさんというお客様からの依頼で
同じデザインで食卓のテーブルと食堂椅子のご注文があり、その納品する現物をmさんの
了解を得て、展示会に出展させてもらいました。

ちなみに「ムシアシ」はこちら。http://thechairs.jp/v05_mushiashi.html


「m chair」は、直線が基調にデザインされています。ちょっと硬そうな座り心地を想像して
しまいますが、座面と背もたれに御妙な削り込みがされていて、吸い付くように柔らかく
サポートしてくれる椅子に仕上がっています。

前脚の下の猫脚のようなデザインと背もたれの上からぶら下がったような板のデザインが
印象的ですが、座面はよく見ると板が浮いたような見え方になるように考えられています。
そのため、座面に無垢板を使っているのにもかかわらず、軽快な印象を受けます。

何となく見過ごしてしまいがちですが、脚周りの構造はかなり精度の高い技術で作られて
います。脚は座を受ける横材と上端だけで固定されています。材料の厚みや幅にもより
ますが、「m chair 」の材料のボリュームと背もたれのフォルムを考えると、強度の
確保のために、前脚と後脚をつなぐ貫を一本入れたい所です。しかし、森下さんは高い
加工精度と組み構造の工夫で貫を使わず、強度を確保して、全体的にすっきりとしたフォルム
を実現しています。

確実な木工の技術がデザインに生かされている見本のような作品です。

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サイズ   W420 x D560 x H 800  SH 450
価格    \68,000

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森下武司(モリシタタケシ)さんのプロフィール


職業  木工家具製造 木工房フロッシュ
    
プロフィール
1970年 三重県出身
2002年 木工房フロッシュ設立

連絡先 木工房フロッシュ 
    三重県津市白山町ニ本木3937
    059-264-0670
    frosch_baum_kuchen.14@zb.ztv.ne.jp