schooldesk chair

懐かしい小学校の「パイプ机」

当たり前に自分のものだと思って使っていくうちに、いつしか
増殖していく消せない落書きや直せない傷。

乱暴に扱った記憶しかないのに、壊れた記憶は無い。

思い出の中にいつもそこにあるのに、間違っても主役ではない・・

そんな記憶の中の「パイプ机」に思いを馳せながら、考えてみたら
新品のパイプ椅子って見た事が無い・・

いつだって使い古されているのに、なぜかホッとするその風貌。

学校のパイプ机をRe.デザインして椅子にしてみたら・・
使う人の「思い出=物語(story)」として繋がっていくのでは・・

と、記憶を紡ぐように叙情的にストーリーを組み立てながらデザイン
された「schooldesk chair」。

どこかコミカルな見た目の裏に、明確なコンセプトを仕掛ける大月敦史氏の
ものつくり手法は、毎回見る人を和ませると同時に共感と驚嘆を呼び、毎回
月氏の作品を楽しみに来られるリピーターのファンも少なくありません。

懐かしい思いで見るお父さんお母さんと「いつもの机」としてみる子供たち
のそれぞれの感じ方が対照的で、印象的な作品です。


  


大月 敦史 (プロダクトデザイナー

  岡山県立大学

  インテリア関連メーカー インハウスデザイナー