ダイジェスト No.7  ストライプチェアー

2009年チェアーズ作品ダイジェスト 
7番目は鈴木光太(スズキコウタ)さんの ストライプチェアー です。

デザイン事務所を主宰する鈴木さんは、想いをデザインに落とし込んで具現化する
のが大変上手なデザイナーです。

今回は鈴木さん自身の言葉で鈴木さんのデザインプロセスを紹介します。
「使われるものの在り方に対しての考察」と「理想とする作り方や形態」をマッチ
させていく思想の源が感じてもらえるのではないかと思います。


本人によるコンセプト

一筆書きのストライプ、ぐるりとつながりました。


あまりにあっさりとしたコンセプトなので、ちょっと深く聞き出してみました。


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「鈴木さん談」

 この椅子は、木製で薄く細く軽やかにしたいと思い、デザインした答えの一つです。
 フォルムの特徴はしなやかにつながった一筆書きのラインです。

 一筆書きを表現するフレームの素材は白樺の積層合板です。普通の合板よりも色が白く、
 材料がぎっしり詰まっていて、強度があるのが特徴です。素材を活かし、白樺がより白く
 見えるように石けんを使ったソープフィニッシュ、木口は積層のストライプがより際立つ
 オイルフィニッシュと1つの材料に2つの塗装の使い分けています。


(白樺の積層合板の木口)

 一筆書きの軽快さを壊さないように、座面も浮いたように軽やかに見える薄いデザインと
 しました。もちろん座ったときに底付き感がない様にしてあります。

 背もたれ兼肘掛けは、片吊りにすることで、一筆書きを強調するアクセントになり、実用面
 でも自由な座り方を選べるという柔軟性も考慮してあります。背もたれとして使う時は、
 ヒトの骨で一番固い骨盤をサポートするように高さを決め、合板の曲げの反発力を活かし、
 もたれると後ろへしなり、クッションの機能も取り入れることができました。
 横から座れば片肘のアームチェアとしてつかえるようになっています。

 どちらからでも座れるようにする為に方向性を持たないよう正方形にしてあります。

 こうして色んな思いと考えが詰まっていますが、パッと見どこにでもありそうでない
 シンプルな椅子なんです。

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実に深いですねー。1つの椅子をデザインする過程で、鈴木さんの頭の中を駆け巡っている
想いの1部分だけでも感じてもらえたでしょうか?


サイズ   W400 x D400 x H 560(SH400)

価格    応相談

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鈴木光太(スズキコウタ)さんのプロフィール


職業  プロダクトデザイナー
    
プロフィール
    1972年 愛知県生まれ
    東京デザイナー学院名古屋校卒業(現、名古屋デザイナー学院)
    デザインスタジオカッパ主宰
    名古屋デザイナー学院・名古屋造形大学非常勤講師

連絡先
    名古屋市名東区野間町12-1-301
    tel:052-705-0287
    e-mail:s.kappa@ninus.ocn.ne.jp
    HP:http://www5.ocn.ne.jp/~d-knock/