ダイジェスト　No.11　snif chair

2009年チェアーズ作品ダイジェスト
11番目は吉松幸祐（ヨシマツコウスケ）さんの　snif chair　です。

吉松さんは愛知県の知多郡で木工房「meiLo」を主催する木工職人です。

チェアーズのメンバーには6名ほどの木工職人が登録していますが、その中でも
もっともカジュアルな作風で、若い女性層に人気の高い椅子を作るのが吉松さんです。
工房家具の手作りの味はもちろん残っているのですが、その部分はあまり主張されません。
無理の無い、自然体の作風が持ち味ですが、デザインの考え方や作り方がシンプルなため、
どこかメーカー家具的な安心感のある雰囲気が特徴です。

馴染みやすいデザインと無垢の素材感が人気の秘密でしょうか。

本人によるコンセプト

三本脚。

パーツもコンセプトに負けずにシンプルです。
前脚が2本、後脚が1本（実は半割の材料を接着して1本なので材料的には2本なのですが・・）
前貫が1本と左右貫が2本、後は成形合板の座面と背だけの最低限のパーツ構成です。
構造材の無垢材はチェリー材で、張り地は牛本革で張り上げています。

吉松さんは毎回展示会に複数の作品を展示して、会場を盛り上げてくれるのですが、今回は
snif chairに合わせたテーブルと過去の椅子の作品も出展してくれました。

特にテーブルは、コンパクトなサイズで一人暮らしや新婚さんに好まれそうです。
展示会でも椅子展なのに注目を集めた１品でした。
デザインも凝っていて天板が極限まで薄く見える工夫がされています。
実際は十分な厚い板を四方を削って落とし込んでいるので薄く見えるのですが、非常に
軽やかな雰囲気に仕上がっています。